現在川崎で開催されている「人体の不思議展」では、樹脂加工された本物の人体が何体も展示されている。人体をプレート状に水平にスライスしたものや、生殖器を縦割りにされた女性、さらには胎児の展示まであるという。彼らはすべて生前からの意志に基づく献体によって提供されたとパンフレットには書かれているようだが、こんなふうに見世物になることに、彼らがみな承諾していたとはとても思えない。それに胎児がどうやって承諾したんだ。
仮に日本国民が献体の意思を示しても、このように展示されることは現行法では不可能だ。展示されている標本はすべて中国人だ。だから日本の国内法の適用を受けない。これひとつをとっても、これほど公に展示できる催しなのだろうかと思ってしまう。
アメリカのメディアであるCBSやABCは、この催しの裏をかなり綿密に取材している。標本は中国政府によって処刑された人たちのようだ。政治犯や法輪功の信者たちである可能性が高い。もちろん断定はできないけれど、でも相当に胡散臭いことは確かだ。
とてもとてもおぞましい。でもそのおざましさに多くの人が気づかない。日本の大新聞社やテレビ局は、取材どころか無邪気に協賛や後援に名前を連ねている。
森達也公式ウェブサイト